「詰碁を数十問連続で解くと頭が疲れて限界だと感じることがあるのですが、ビタミンDを摂っていると頑張りが利きます。ウェブで調べてみたら、脳細胞にはビタミンD受容体があることが分かりました。ビタミンD受容体は、昔から腎臓や小腸、骨の細胞にあることは知られていたのですが、1980年代から研究が急激に進み、生体内のあらゆる臓器にあることが知られるようになったようです。」

「ビタミンD受容体は臓器のどこにあるのですか」と町会長は興味を示した。

「細胞の核の中にあると言われています。」

「色々な臓器にビタミンD受容体があるということは、日に当たる機会やビタミンDの摂取量が少ないと、色々な原因不明の病気になる可能性があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、毎日、がん細胞が作られているので、がんにならないためには強い免疫力が必要だと言われていますが、ビタミンDはがん細胞を正常な細胞に戻す作用があります。ですから、日に当たる機会やビタミンDの摂取量が少ない人は、知らないうちにがんになりやすい体質になっているということになります。また、糖尿病や動脈硬化、自己免疫疾患などとの関連性も研究されているようです。」

「生体内のあらゆる臓器にビタミンD受容体があるので、難治な病気はビタミンDの摂取で改善する可能性があるということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「進化論的に考えると、人類はビタミンDの不足のために脳の機能が低下し、臓器の機能が低下するように進化しているので、健康増進法の目安量が1日あたり5.5μgで、耐容上限量が100μgなのに、毎日上限の100μg飲んでいるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人体実験中なので100μgが最善とは思っていません。しかし、室内生活が多くなってしまった日本人は、少なくとも10μgくらいは取った方がいいと思います。病院で出す活性型のビタミンDでなければ、要するに普通のサプリのビタミンDなら、腎臓に血中のビタミンD濃度を制御する機構があるので、多めに飲んでも心配はないと思います。」

「ビタミンDではなく、ビタミンD3を飲んでいるのには何か理由があるのですか」と町会長。

2019/9/19